褥瘡

 

湿潤環境の調整に影響を与える外用薬はポビドンヨードシュガー(イソジンシュガーパスタ軟膏)とカデキソマー・ヨウ素(カデックス軟膏)しかない。そのため、一般的には湿潤環境を保持すること目的に考案された創傷被覆材(ドレッシング材)を使用する。

いまは抗菌薬を含むドレッシング材があるが、薬効を示すほど高濃度ではなく、薬剤と同等の効果はないと言える。近年は薬剤よりドレッシング材を重視する傾向があるが、外用薬とドレッシング材を的確に組み合わせて使用することにより、早く、綺麗に褥瘡を治すことが可能になる。

湿潤環境が保持されていなければ、薬効は現れない。ただし、主材だけで湿潤環境を形成できる薬剤は少なく、急性期など湿潤駅がある場合を除いてフィルム材などのトップドレッシングが必要なことが多い。

ドレッシング材の種類にもよるが、頻回な交換は湿潤環境の保持を妨げ、逆効果になることもある。浸出液が比較的多くなる深い褥瘡では湿潤調節が困難なば場合がある。また、湿潤環境の保持だけでは治療速度を上げることは難しい面があり、栄養状態の影響が反映されやすい。そのため、ドレッシング材は浅い褥瘡への使用が適していると言える。

親油性基材

親油性基材は水となじまない性質を持つため、吸湿性や保水性はなく、保湿性を有する。したがって、上皮化の段階のように湿潤低下の環境下で使用されることが望ましい。浸出液の無い皮膚面で保護効果を期待するのによく使用される。

肉芽形成過程で使用することは本来の使用条件とは異なり、適正な湿潤環境を形成しにくいと考えられる。親油性基材としてアルプロスタジルアルファデクス(プロスタンディン軟膏)が該当する。

親水性基材

水分を吸収することにより基材自体が溶解する性質を持つ。そのため、浸出液の無い創では乾燥が過度に進み適さない。そこでフィルム材を使用するが、湿潤環境が改善されない場合もある。

ちなみに、同じポピドンヨードシュガーでも水分の吸収力に差があり、ユーパスタの方が早く強力に水分を吸収する。カデックス軟膏は遅く弱力で水分を吸収する。

乳剤性基材(O/W)

水分が多く含まれ、乾いた傷の水分を補う効果を持つ。そのため、水分が不足している場合に使用する。逆に、浸出液の多い傷では過度な湿潤環境を作るために使用を避ける。以下の薬剤が該当する。

乳剤性基材(W/O)

油分が多く水分が少ないのが特徴。水分をほとんど吸収しないために保湿性を有する。該当する薬剤にはリフラップ軟膏やソルコセリル軟膏がある。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です